モロー美術館
パリ旅の最終日にはモロー美術館へ立ち寄るのが恒例となっています。
画家や彫刻家の邸宅が本人の死後に美術館となるのはよくあることですが、モローは生前からこの家を美術館にするべく自ら計画していました。
全ての壁を隙間なく埋め尽くす夥しい数の絵。
モローの想いが詰まった、濃密な時間に浸ることのできる美術館です。
中央は晩年の傑作「ゼウスとセメレー」。
この絵の前に座ると、時の経つのを忘れます。
大好きなギュスターブ・モローについては過去のブログで熱く語っておりますので、ここでは割愛させて頂くとして。
前述していない作品をご紹介致します。
「グリフォンの妖精」
アントレ・ブルトンは”私はいつも、夜ここに進入して闇の中に潜むグリフォンの妖精に明かりを照らし驚かせることを夢見ていた”と語っています。
幻惑をおこす不思議な力のある作品の一つです。
「テュルタイオスの戦争の歌」
紀元前7世紀ギリシャの詩人テュルタイオスが愛国歌を詠い、若きスパルタ軍に勝利をもたらします。
モローはそれまで醜男に描写されてきたテュルタイオスを”力と美の燦然たる輝き”と理想化しました。
「モーゼ、約束の地をめざしサンダルを脱ぐ」
神がモーゼにカナンの地を踏むことを禁じた、聖書の申命記の一場面。
モーゼがこっそりと自分のサンダルを脱ぐしぐさは、モローの想像により描かれました。
「エウリュディケの墓の上のオルフェウス」
1890年3月28日、モローは生涯の伴侶を亡くし悲しみに打ちひしがれます。
愁傷と心痛を祓い、人生を共にしてきた妻に哀悼を捧げるため、オルフェウスの神話の中で最も悲痛な挿話を選び、描くことを決意しました。
英雄オルフェウスが、蛇に咬まれて命を落としたエウリュディケの死を嘆き悲しむ場面です。
印象的な螺旋階段。
階下はモローの居住空間となっています。こちらは寝室。
浮世絵や和皿が飾られていました。
モローもモネもゴッホも、日本から受けた影響は大きかったのですね。
モローのパレット。
毎回足を運んでいるモロー美術館、今回はもういいかとも思いましたが、来て良かったです。
何度見ても、やっぱりいい。
「出現」や「一角獣」の絵がないなぁと思ったら、今日本で開催中のモロー展にお出掛けしているのですね。
モローについて書いた以前のブログ、もしご興味ある方はご参照ください。
上記2点についても語っています。
2018年
https://kayoko-okamura.com/2018/02/10/モロー/
2009年
https://kayoko-okamura.com/2009/09/02/モロー美術館☆/
さてさて、ラファイエットで最後のお買い物をして~
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大満喫した今年のパリ旅はお終いです。
こんなにも趣味に走ったブログにここまでお付き合いくださいました皆さま、本当にありがとうございました
À très bientôt,Paris