ベルサイユのばら

劇場版「ベルサイユのばら」を観に行きました。

 

 

あまりに有名な作品なのでご存知かとは思いますが一応ご説明いたしますと…

「ベルサイユのばら」(通称ベルばら)は、池田理代子先生により1972〜73年に連載された少女漫画です。
フランス革命前から革命前期のベルサイユを舞台に、男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネット、スウェーデン貴族フェルゼンらの人生を、史実とフィクションを織り交ぜながら描いた超名作でございます。

 

私が生まれる前の作品ですが、歴史の勉強になるし面白いし夢中になって読みました。
1人通し稽古ができるくらい。

 

これまでアニメ化、舞台化、実写映画化など長く愛されてきた作品が、この度新しく劇場版アニメとして製作されましたので、観に行くしかない。

 

映画鑑賞前に、まずは予習復習として原作の漫画を全巻読み返しました。
うんうん、いつ読んでもやっぱり素晴らしいな。
池田先生、これを24歳の時に描いたなんて天才すぎます。

 

原作を読みながらふと思った「ルイ15世の孫が16世になる訳だが、16世のお父ちゃんはどうしたの?」という疑問を軽い気持ちで母に問うてみたところ、手書きの年表と参考資料を渡されブルボン王朝の解説が始まりました。
うん、そこまで詳しく求めてた訳じゃないけどよく分かったよ、ありがとう。
さすがフランス語&歴史&美術史を勉強しコロナ前は年に1回パリ旅行していた仏ガチ勢。

 

私自身もパリ旅行の際にベルサイユ宮殿まで足を伸ばしました。
(母は既にベルサイユ済みで付き合ってくれず。個人で行くには交通の便が悪いし入場も大変なので、マイバスのツアーに申し込んで1人で参戦しました。めちゃ楽しかった)
あとアントワネットが処刑の直前まで入っていたコンシェルジュリーの独房も見学したよ。

 

 

さて、今回の映画はいつものオタ活3人娘で出掛けます。
一足先に1回目の鑑賞をした花林ちゃんからの速報によると、「私と佳代さんがベルばらごっこをするとしたら必ず入れるシーンの8割がカット。だが号泣」とのこと。
あの長編を2時間の映画にまとめるなら、そりゃ大幅なカットは致し方あるまい。
そしてベルばらごっこする前提なのが草。

 

いざ劇場へ!!
宝塚が近いからかTOHOシネマズ日比谷の上映回数が充実していたので、東京ミッドタウン日比谷へ馳せ参じました。

 

映画が終わると…
もう言いたいことがありすぎて、とりあえず夜遅くに入れるお店を探して有楽町方面まで徘徊する私たち。
待ちきれずに歩きながら語りまくりました。

 

とにかく素敵なところも気になる点もたくさんあるので順番にいくね。
この先はネタバレ全開です。
また感想は私個人の独断と偏見ですので、広い心で何でも許せる方のみお進みください。OK?

 

 

まず焦点の当て方が素晴らしかった。
オスカルの生き様をメインに描いています。
アントワネット様をお護りする務めよりも、自由・平等・博愛の精神の元、貴族でありながら民衆の味方につくことを決意したオスカル。
バスティーユの闘いをクライマックスとし、1人の人間として葛藤しながら生き抜くドラマは非常に感動的です。

 

そのためアントワネット周りのデュ・バリー伯夫人はカット!
ポリニャック伯夫人も丸々カット!
もちろんジャンヌも首飾り事件もカットカット!

まさかのロザリーまでバッサリとカットされ驚きましたが、ロザリーはいい役すぎて出してしまうと影響が大きいので仕方ないのかもしれません。
(せめてもの温情か町娘Aとして一瞬だけ映りました)
ベルナールは登場しますが「黒い騎士」はカット!

オスカル亡き後は、静止画で説明オンリー!
しゃーない、2時間だもん!!

 

恋愛面に関しては、「フェルゼン×アントワネット」「アンドレ×オスカル」の2組がメイン。
そこは勿論ね、そうよね。
「オスカル→フェルゼン」の片想いはもう少し深堀りしても良かったんじゃないかな〜。
私の最推しはアンドレなのでベッドシーンまで描いてくれて本望よ。

「国王×アントワネット」「ジェローデル→オスカル」あたりは割と原作に忠実で良かったです。

またアラン推しとしては「アラン→オスカル」や、アンドレとの三角関係を入れて欲しかった。
「ルイ・ジョセフ→オスカル」もあれば尚よし。

ロザリーがいないので、「ベルナール×ロザリー」「ロザリー→オスカル」がないのは淋しいけれど我慢するしかない。

 

今回特筆すべきは、声優陣のキャスティングが最高なこと。

オスカル:沢城みゆき
アントワネット:平野綾
アンドレ:豊永利行
フェルゼン:加藤和樹
アラン:武内駿輔
ジェローデル:江口拓也
ベルナール:入野自由
ルイ16世:落合福嗣
ジャルジェ将軍:銀河万丈
マロン:田中真弓 ※敬称略

え、神がかってない??
キャスティング担当様と固く握手を交わしたい。

 

また劇中歌がたくさん挿入され、歌唱力のある声優の皆さまが歌いまくるんですね。
物語に入りきらない場面を歌の中でダイジェストにしたり、一番表現したい感情を歌に持ってくるのは、ミュージカルでもよくある手法です。

曲そのものは素敵だし歌も上手いのですが、曲調があまりに現代日本のポップスで、時代やキャラクターに合っていないのが気になりました。

あとサビなど英語の歌詞に違和感があり、せめてフランス語か、もしくは日本語onlyにして欲しい。
だってこの人たち、フランス人とオーストリア人とスウェーデン人よ?
日本語版なので日本語はいいとして(つーかそもそも日本人が作ってる話だし)、英語はいらんねん。

あと歌いながらイメージ映像が入るのが、カラオケか?って感じでした。
大事なシーンをこれだけバッサバッサとカットしているのだから、抽象的なイメージ映像を流すくらいなら他に入れるべき場面があるでしょうよ。
せめて「茨の道を進む」くらいの一瞬の表現に留めておいて欲しかったです、長いんだもん。

 

作画はさすがMAPPAさんです。
お目々なんか原作以上にキラキラしてました。
背景もまるで写真か絵画のように美しいのに、アントワネットのドレスが女児用アニメみたいでちょっと残念。
国が赤字になるくらい高価なドレスのはずが、安っぽく見えてしまいました。

 

全体的にギャグシーンが殆どないのがちょっと物足りないかも。
ベルばらの魅力って、シリアスとギャグの緩急や、意外とヘタレな愛すべきキャラクターだと思うんですよね。
分かるよ、2時間でそこまでやってる余裕ないよね。
でも白目は入れてくれてありがとう!

 

と、まぁ偉そうに色々とのたまいましたが、大変楽しませていただきました!
よくこの2時間にまとめたものだと感服いたします!
あくまで原作ガチ勢の感想なので、初見の方は普通に面白いと思います!
クライマックスは涙ウルウルしました!!

 

最後に、以下の素晴らしい考察を、誠に勝手ながらリンク貼らせていただきます。
「作り手側にアンドレがいる説」という恐ろしく腑に落ちる視点で、この映画の問題点が全て解決し、納得しかありません。
https://note.com/koimousuimo/n/n785d506736d2

 

 

入場特典はなんと原画のレプリカでした!
第1弾が女装オスカル、第2弾がフェルマリです。尊い。
(花林ちゃんから第1弾をいただきました、ありがとう♡)

 

いや〜それにしてもオスカルは格好いい。
皆さま、ぜひ映画館へ足をお運びくださいませ。
そして原作もどうぞお手に取っていただけましたら幸いです。(誰)

 

 

✽本日のお着物✽

 

ベルばらだし、ちょっと華やかな柄の着物を選びました。
寒波なのでマントでぬくぬく。

 

 

 

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