サン・マルタン運河クルーズ

パリでクルーズといえばセーヌ河を思い浮かべる人も多いでしょうが、今回は怒濤のインフラクルージング、サン・マルタン運河
ただのクルーズとは一味違う、貴重な体験の船旅となりました

出港場所は前回のブログでご紹介しましたラ・ヴィレット公園の中心にあるヴィレット貯水池。
(船に乗るためにこの公園へ来たのです。あの球体が目的ではナイ)

乗船場やチケット売り場らしきものはなく、川沿いに小さな立て看板がポツンと立っているだけ。
時間になるとそこに客船がやって来て船の中で乗務員にお金を払う、というパリらしいラフなスタイル。

座席は早い者勝ちなので、出港30分前に乗船して甲板席の一番前を無事ゲット。
あれよあれよという間にすぐ満席になりました。さすが土曜日

晴天の中、ウルク運河を出港!
ていうか晴天すぎて陽射しがヤバい

そしてバカンス感すごい

このクルーズの醍醐味はズバリ「水位の調整」。
ヴィレットの場合、セーヌの水面と比べて実に25mも水位が上なんですね。
そこからセーヌ河と交わるまで、いわば運河をどんどん“降りていく”形になるわけです。
(逆コースの場合は“上がっていく”)

元々、混雑するセーヌ河の貨物船を移動させるためにナポレオンが建設し、1825年に完成したのがサン・マルタン運河。
セーヌ~ヴィレットまでの全長4.5km、水位差26mを9つの水門で調整して、船の往来を可能にしたのです。
ナポレオンて本当に色々やったよね~。

さて、ウルク運河からサン・マルタン運河に入っていく時に第一の水門が現れます。
ではここで、珍しい「閘門式水門(こうもんしきすいもん)」の仕組みを簡単に解説致します!キラーン

運河を塞ぐ水門の手前まで来ると、船は一旦停船します。
水門の向こうは低い水位です。

後ろの水門が閉じて、挟まれた水門内の水が放出されます。ドドドドド。
水位が下がるのと同時に船もどんどん下がっていき、さっきまで水で隠れていた壁が見えてきます。ワーオ。

水門の前後が同じ水位になるまで調整されたら、ロックゲートが開きます。ゴゴゴゴゴ。

やっと進むと、その先には次の水門…え、また

というのをなんと9回も繰り返すのです!
かなり時間かかるし、ものすごい手間。
昔は手でクランクを回していたのが今は電動化されたとはいえ、船長と岸辺のオペレーターとの共同作業は手動です。

乗船客は船首に集まりカメラを構え、岸辺の人たちも足を止めて見入ります。
しかしてその見物客も業を煮やして立ち去るほど、船の進みはゆっくり。
もちろん滅多に見れない水位調整ですから、確かに面白い。
が、何せのんびり過ぎて、最初は興味津々でも徐々に飽きてくるのは否めません(笑)

またサン・マルタン運河には2つの開閉式の橋があり、船が通る際は遮断機が降りて通行人を停め、橋が90度回転して開くようになっています。
その間、船は停泊してずっと待ち時間。
当然、岸辺の人たちも待ちぼうけ。すいませんね~。

ここはもう覚悟を決めて、このゆったりした時間を楽しむしかありません。
いいの、バカンスだもの

下町情緒あふれるサン・マルタン運河から見渡す風景はやっぱり素敵!
川沿いの遊歩道で愛を語らう恋人たちや、犬の散歩をする老夫婦にさえ追い越されながら、優雅な時間を過ごすのも乙なもの

水門のあるところにはアーチ型の橋がかかっていて、絵になります。
映画「アメリ」に登場する水切りの水門も通りましたが、同じような橋がたくさんあるのでどれかは分からなかった(笑)
橋の上の人たちと手を振り合うのも楽しいです

いよいよ佳境の運河クルーズは、地下水路へと入っていきます。
涼しい!気分はオペラ座の怪人です

トンネルを抜けるとバスティーユのアルセナル港。
更にセーヌ川へと船は進みます。
左手にノートルダム、右手にルーヴル、これぞパリという眺め

シャンジュ橋のNは、ナポレオンのN。

ポン・ヌフの向こうにはエッフェル塔が見えます

芸術橋をくぐり~、

終着点であるオルセーへ到着。

お疲れ様でしたー

本来は2時間半のコースですが、この日は遅延もあり結局4時間半、甲板で過ごしました。
途中下船した人たちもいたけれど、最後まで乗って良かったです。
特等席から被りつきで水位調整とパリの景色を堪能でき、貴重なクルーズでございました

ついでにオルセー前で遊んでみる

このモリゾ展、今度観に来よう

ミュージシャンの演奏もやっていましたよ

疲れた体に苺タルトが沁みるわ~

船旅の〆はワインで

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